若年営業パーソン対象 売れる営業の取り組み方

マーケティング本部 楠祐紀

私が営業について楽しい、かつ結果が出る方法を説明したいと思います。
このやり方で私は飛込営業での成約率70%以上を経験しています(物販・サービス業向けです)。

皆さん、高校・大学を卒業されて、自分はこんなことがやりたい、こういう仕事がしたいと考えて社会人になったかと思いますが、自分の思いや意図とは裏腹に、なぜかやりたくもない営業職に配属されてしまった、ただ漠然と外を回っても断られてばかりで気が引けてくる、営業はどうも押し売りのイメージがあるし、勢いがないとやっていけない気がしてミスマッチだ、時期をみて別の職場に転職してしまおう・・・などと考えてしまってはいませんか?とりあえずナンバーワンセールスパーソンになってからでも転職は遅くありません。

営業は魚釣りに似ています。魚を釣るためには、どんな魚を釣りたいか、そのためにはどのような竿を用意すべきか、どのようなエサと仕掛けを用意するべきか、その竿とエサと仕掛けを持ってどこで釣りをするのかということを考えると思います。鯛を釣ろうと思って川釣りの準備では全く反応がないでしょうし、ザリガニ用のエサでは海釣りの役には立たないでしょう。
営業も同じです。どこの誰(Who・Where)に対して、自社のどの商品(What)を、どのタイミングで(When)、どのような見せ方・薦め方(how)で営業するのかを考えて動くことが重要です。これらのどこかにミスマッチがあればよい結果が得られないでしょう。

個々のステップに入っていく前に最低限の準備事項と心がまえを挙げておきます。

  • ・アペアランス(外見)に気を使うことが大切です。自分がどのような格好をしたいかではなく、自分が外部にどのように見られているのかを軸にして服装・髪型を選んでください。
  • ・「営業はどこか押し売りのようで罪悪感がある」という変な先入観を捨てましょう。営業は世のため人のためになる商品・サービスをお届けする、社会貢献だと考えましょう。あなたが営業をすることで幸せになる人がより多くなると考えてください。
  • ・顧客先の相手はよほどの事がない限り日本人だと思います。気になることや判らないことはどんどん質問してください。日常会話で結構です。意外なところで突破口が見えるときがあります。
  • ・営業先に失礼のない話し方とマナーを身に付けてください。
  • ・商品・サービスについては取り扱い商品すべてというわけではなく、とりあえず自分自身で見て一番売れる見込みのありそうなものを一つ選んでください。
  • ・営業の目的は組織の売上予算を達成することが目的である事を忘れないでください。営業で訪問件数を稼ぐことが目的になるような逆転現象は避けましょう。
  • ・営業ツールとしてこれまでのお客様の感想や商品やサービス実施時の写真などを提案に盛り込み、視覚に訴えかけましょう。文章と口頭のみの営業ではお客様はイメージできません。
  • ・決裁権者・キーパーソンに提案しなければ契約できません。力関係を正しく見極めて営業しましょう。

それでは上記をふまえた上で10のステップを見ていきましょう。

  • 1.自社の取扱う商品・サービス知識とその利便性と価格帯を完璧に頭に叩き込む。
  • 2.自社が提唱する商品・サービスのメリット・デメリット、商品知識や営業手段が本当にターゲット顧客層に対して訴求しうるやり方であるのか疑ってみる。
  • 3.自分なりに、どのようなターゲットがその商品を使い、利便性を享受するのか、どうして自社の商品を使う必要性があるのか等、それらのシチュエーションを何通りも考える。
  • 4.ライバル企業の商品・サービスの特徴や価格帯を理解し、なぜ自社の商品を使う必要があるのか、どのように訴求すべきか考える。
  • 5.上記3.〜4.を前提にしたうえで営業話法の雛形を作る(ロールプレイングの徹底)。
  • 6.営業対象となる顧客を地域・業種別にリストアップする。
  • 7.上記6.で作成したリストに基づき営業を展開する。
  • 8.訪問件数中、何%成約になったか振り返りをする。
  • 9.良い結果になった場合、そのシチュエーションと営業話法をマニュアル化して、誰がやっても結果が出るものを作成する。
  • 10.悪い結果の場合は何がミスマッチだったか考え、もう一度、上記1.か2.に戻ってやり直す。

これら10ステップのうち、特に重要な項目は3番目と10番目です。3番目については売れるシチュエーションが自分で明確に想像できれば後は実行するだけです。10番目については、営業は成約にならないケースが多く、それをどう改善していけばよいかが成功の鍵になります。

熟練の営業パーソンは、これまでの自分自身の経験やお客様との関係やコネクションなどをフル活用して、情報を入手し紹介してもらうなどして契約を取ることがあります。
また、あなたの上司の中には営業職だった時代が80年代のバブル期で、勢いで回れば回るだけ契約が取れた時代を経験した人も少なくないと思います。そのような方々の中には、訪問件数をあげなさい、熱意が足りないから売れないのだなどと時代錯誤なアドバイスをし、何も現状を理解していない場合があります。
ただ単に何も気にせず、漠然と自社の総合カタログや会社案内などを御用聞きのように、「担当者の方にお渡しください。」といって名刺と一緒に置いて帰ってきていては絶対に契約にはならないでしょう。実際に私の経験上、何の絞込みもせず、ただ同じ商品を営業するだけでは良くても成約率1%未満です。

お客様の業種別で、同じ商品・サービスを持っていくにしても営業中に話すことはそれぞれ違うものにする必要があります。
例えば、飲食業なら繁忙時を避けて、裏口から訪問し、店主の利益になる話しを持ってきた、というスタンスで営業をします。
また、製造業の技術・開発出身の担当者であれば、商品・サービスの知識を徹底的に活用した論理的な説明が必要になります。
それぞれの業種に合うように情報を加工しなければ、断られてしまいます。

企業の商品・サービスには開発の意見が先行して、市場ニーズから乖離したものを営業が売らなければいけないケースも多くあります。プロダクトアウトの商品・サービスをいかに販売するかが、営業に求められる場合もあります。お客様の問題点を自社の商品とサービスで解決出来れば、成約の確率が向上します。

若年営業パーソン対象 売れる営業の取り組み方2

オピニオン一覧へ戻る

▲このページのトップへ